ここには、私たち以外誰もいない。


 2人だけの世界。


 私は意を決して、ヒナタを見上げた。


「ねぇ、ヒナタ」


 ヒナタがこちらを見下ろす。


「あのね、私…」


 言おうと思ってたことが、言えない。


「どうした?」


 少ししてかけられたヒナタの言葉に、私は我を取り戻した。


「…なんでもない」


 私は足元に目を向けてしまった。