「こういう場合、どうしたらいいんだっけ?」

 おろおろしながらタカシが言い、僕たちは自然とスマホをひらいた。分からないことはウェブに頼るのが鉄則だ。

 僕の場合、ホームボタンを押すと、アイコンを並べたデスクトップに気まぐれで彼女が現れるので、検索も容易ではない。

『こまってるなら、助けてあげようか?』

「え?」

 いつも通り彩羽が顔を出し、そんな言葉を並べる。

「エイト、なにか分かったか?」

 僕のつぶやきをタカシが拾い、二人して僕のスマホをのぞき込んできた。

「あ、ちょっと」

 僕は焦った。例の降霊術で幽霊女子に憑かれたことを二人には黙っていた。

「なんだ。まだ何もしらべてないじゃん」

 コウジがつまらなそうに言い、僕もスマホを確認する。さっきまでいた彩羽が消え、四角いアイコンが等間隔に並んでいる。見慣れたディスプレイだ。

 ふいに床面がガクンと揺れた。え、と三人で目を丸くしていると、低いモーター音が響き、慣れた浮遊感が体に戻ってくる。到着音が鳴って、ドアが左右にひらいた。三階だ。

「なんだよ、焦ったー」

 タカシもコウジもエレベーターがひとりでに復旧したのだと思っていたが、僕だけは違った。