光彦先生は、一切笑わない。
鋭い目を
ステージ下の生徒に突き刺し
唇を固く結んでいる。
その時
バチッ!
ステージにいる光彦先生と
視線が絡んだ。
光彦先生!!
私のことを覚えていませんか?
天の川のほとりで
2人だけで一緒に暮らして
「織姫だけが
俺の運命の相手だよ」
「オマエが俺の傍にいれば
俺は一生、幸せでいられるんだ」
そういって
私にキスしてくれたじゃないですか!
光彦先生に嫌われたくなくて
飛び切りの笑顔で微笑んでみた。
でも……
先に視線をそらしたのは
光彦先生で
私のことなんて興味なし。
ここにいる生徒の一人としか
思っていないことが、丸わかり。



