「彦星に一途な衣織でも
あの先生なら
恋愛対象としてありでしょ?」
「あ……、うん……」
だって、見た目が
彦星さま、そのものだし……
戸惑いながらの私の返事に
「えっ?
どうしちゃった、衣織?」と
純ちゃんは驚いたけど
すぐに
「そっかそっか
ついに彦星を超える人が現れたかぁ。
あの先生、国宝級イケメンのに
殿堂入りしちゃうレベルの
顔面偏差値だしね」
と、納得したらしい。
ステージのど真ん中。
だるそうに前髪をかき上げる、あなたは
彦星さまなのですか?
前世で私を甘く抱きしめてくれた
彦星さまなのですか?
私は今すぐにでも
聞きたくてたまらない。



