白衣姿の男性。


ゆるく波打つ、こげ茶色の髪。


外国の王子様みたいな、綺麗な顔。



スクエア眼鏡が

インテリ感と大人っぽさを

醸し出していて



きわめつけは

生徒を睨みつけるような

鋭い眼光。



 あの人は……

「……彦星……さま……?」



彦星さまは、眼鏡をかけて

いらっしゃらなかったけど……



歩き方とか、瞬きのタイミングとか

似てる、似すぎてるよ!




私は、前世の記憶と

重ねずにはいられない。






まぼろしだよね?



彦星さまに会いたいって

毎晩、星にお願いしていたから


私の目が、別人を

彦星さま風に見せているだけだよね?