彦星さまは会いたくてたまらない




恋は、途方もない旅だと思う。



存在するかすらわからない

運命の相手を

諦めずに探し続ける旅。




僕もいつか、出会えるのかな?



自分を犠牲にしてまで愛し抜ける

最愛の人に。



出会いたいな。



できれば……

今すぐに……






走り去っていく彦ちゃんを

見守りながら

僕もゆっくり

グラウンドまで歩く。



イチョウの木を

通り過ぎようとしたとき



「あのぅ……」



弱々しい声が

僕の鼓膜を揺らした。