「それ、僕に言うセリフ?」
「え?」
「僕は衣織ちゃんに
失恋したんだよ」
「……あっ!」
「あっ!じゃないよ。
酷いな、彦ちゃんは。
恋のキューピットの心の傷を
えぐりまくって。
傷口に塩を練りこんできてさ」
「……っ」
「神様に言いつけちゃおっかな?
彦ちゃんが僕をイジメます!
二人を引き離してください!って。
アハハ~」
僕は冗談っぽく
高笑いを付け足してみた。
彦ちゃんもいつも通り
「姫野は俺のものだ」
って言いながら
僕のおでこを、魔王モードで
つついてくると思った。
それなのに
目の前にいる白衣姿の彦ちゃんは
僕の予想とは全然違って
「オマエの気持ち
考えてなかったわ……
マジごめん……」
僕から目をそらし
悲しそうな顔で
謝ってくるんだもん。
驚きが強すぎて
今度は僕が、固まっちゃったよ。



