「俺はこの世界に
生まれてからずっと
誰かを好きになったことは
なかったんだ。
女から告白されるたび
オマエじゃない
なんか違うって!
心がざわついて
違和感をおぼえてた」
「……」
「ずっと不思議だったよ。
なぜ俺が、人を愛せないのか。
普通の奴らが、サラッと
できちゃうことなのにって。
でも前世の記憶が戻って
やっと答えが見つかった。
彦星だった時の俺が
オマエのことを自分の命以上に
大事にしていたからなんだな」
光彦先生……
私のこと、本当に
思い出してくれたんですね。
嬉しいです。
涙でぐちゃぐちゃな顔なんて
大好きな人に見せたくないのに
嬉しくて、嬉しくて
どうしても涙が
止められないんです……



