「でもでも……結婚指輪は?」 「あの指輪はダミー。 女達に囲まれないためのな」 結婚指輪は…… ダミー? 「まぁ、指輪をつけてても 俺を取り囲む女子高生の熱量が 予想以上で、ビビったけど」 待って、待って。 驚きが大きすぎて 脳が追い付かないよ。 先生には彼女がいなくて…… 結婚もする予定がなくて…… 光彦先生は 私が座る真横に、右手を置いた。 グググっと迫る、王子様フェイス。 いつ爆発するかわからない 時限爆弾のように 私の心臓が ドクドク駆けだしてしまう。