「これって……夢ですよね?」 先生の頬から離した手を 膝に置いた私。 寂しさを言葉にしてみた。 「夢じゃない。 俺の体温 ちゃんと感じただろ?」 幸福なぬくもりを 私の手のひらで感じたけれど。 でも…… 現実だとは思えない。 だって 「先生には婚約者がいて…… 左手の薬指には 彼女さんとお揃いの指輪が……」 結婚指輪が…… あれ?? ななな……ない????