私は左手を、夜空にかざした。 「私以外の人と結婚するなんて 彦星さまは酷いよねぇ」 左手の薬指と 瞬く星を重ねてみる。 まるで指輪が 私の指に収まっているみたい。 この星の指輪が 彦星さまからのプレゼントだったら どんなに嬉しいだろう。 星が雲に隠された。 一緒に、私の心が闇に落ちる。 「生まれ変わっても 大好きだったのになぁ……」