私はアキラに送ってもらい家にかえった。
「ただいま」

「おかえり。おや、なんかいい事でも
あったのかい?」

「え、おばあちゃんは本当なんでもお見通しみたいだね。初めて彼氏ができたの!」

「そうかい。リカも年頃だね。
私もおじいさんに初めて会ったのは
リカくらいの時だったかな?」

【ワンワン】

「ただいま、タマ!」

犬のタマ、犬なのに、タマ
おばあちゃんが付けた。
ウチは、北欧生まれのおじいちゃんの
影響で、日本と北欧が混ざったみたいなレトロなインテリアだ。
おじいちゃんが眩しがったから
蛍光灯は無く、オレンジ色の優しい光

おばあちゃんは、ロッキングチェアに座りタマを膝に乗せ窓の外をみながら
お茶をする。
可愛いティーカップ。

「リカも飲むかい」

「それよりお腹減った」

「お鍋に、ロールキャベツがあるよ」

おばあちゃんの得意料理、大好き

「ご馳走様」
私は食器を片付けると部屋へ行った。

ピンクとベージュの部屋
おじいちゃんとおばちゃんが、
家具や机ベッド全て揃えてくれた。

おばあちゃん手作りの淡いピンクに花柄のベッドカバー、私のお気に入り

「あ、アキラから連絡が来てる」

[明後日、土曜日デートしよう]
  [はい、了解です]
[映画?ピクニック?どっちがいい]
   [ピクニック]
[分かった!午前11時に迎えに行く]
    [はい、待ってます]

[ちなみに、明日俺学校休み]
  
私は休み?なんで?と思ったけど、
私は人に質問するのが苦手で、
もし、聞かれたく無い事だったらって
思ってしまうから。
だから、不思議に思ったけど、
  [お休み了解です]
と返信した。
[足、無理しないように、おやすみ]

 [ありがとう。おやすみなさい]

明日アキラいないのか、だけど、
私の高校生活は変化した
明日が楽しみ、なんでも、楽しみになってきた。


 でも、私はいつもと変わらず
教室でボーとしていた。
休み時間いつもよりクラスがザワザワしていた。
他のクラスの男子が遊びに来ているようだった。
女の子達がチヤホヤしてる。
ウチの学校は、芸能関係の子や、有名な子とか多いって聞いた事あるから
何かしてる子なのかな?

あ、そうだポテト買いに行こう
私の、たまにの楽しみ、100円で、
紙コップ山盛りの揚げたてポテトが
買えるんだ
私は席を立って、出口の方を見た
視界に1人の男の子が入った

なんだろ?なんか、その子を見て
胸がキューッとなった、悲しい様な
切ないような、懐かしいような
どこかで会った気がする。
綺麗な顔だな、親戚?まさか。
どこで会った?夢の中、
だけど、その子の目を見たら
なんだか、切なくて鳥肌が立った。
震える様な感覚だ。
何秒位、目があったままだっただろう。
ポテト!
私は気になりながらポテトを買いに行った。


 俺は隣のクラスに、偵察に行った
チヤホヤされた。俺も認知度上がったかな?
クラスの隅に座っていた女の子が
立って振り向いた。
俺は、その子の顔を見た瞬間
目が、まるで、
【ライト、見なさい】って言ってる見たいに、その子に釘付けになった。
頭の中に。
【君の為なら死んでも構わない】と
浮かんで、俺は鳥肌が立った。
何?この感覚?
何処かで会った気がする。
いや、でも初めて見る子のはず、
でも、懐かしい、昔ずっと一緒にいた様な、胸が苦しかった。
チャイムがなり、俺はモヤモヤした気持ちで教室へ戻った、走ろ、遅れる。


 私はポテトを買えたけどチャイムがなってしまった、急がないと、
小走りで、廊下の角を曲がった。
【ドンッ】
【パラパラ】
誰かにぶつかってポテトが散らばった
遅れちゃう!
私は急いでポテトをかき集めた

「ごめん、ポテトこぼしたね」
「大丈夫です」
「本当、ごめ…」

あの子ださっきの。

私は
「大丈夫ですから…」と顔を上げた
さっきの男の子だ、

「あ、ねえ、俺…」

「遅れちゃうから行きますね」
私はポテトを集めると教室に急いだ、
ポテトを仕方なく、ゴミ箱に捨てた
もったいなかったな。

あの男の子だった、何かいいかけてたな。やっぱり綺麗な顔だった
芸能人?だからTVで見た事あるとか?いや、私ほとんどTV見ないし
なんだろ?胸が苦しい。もう一度会って見たい、確認したい。
昨日始めての彼氏が出来たのに。
他の男の子の事ばかり考えてるなんて
私なにしてるんだろう?
違う、どこかで会った気がするから気になるだけだ。

 俺はドキドキしてた。なんだろ?
この感覚、そして、なんだよ。
あの子の為なら死んでもいいなんて
なんで頭に浮かんだんだ?
小さい頃会ってる?母親の親戚とか
母親に似てるとか?
あの子ハーフぽかったし、母は日本人だ、違うか、なんだろ?聞きたい
あの子にもう一度会って話したい。
そうだ!ポテト、ポテトを買って行こう。落としたんだ返さないと。
俺はずっとあの子の事を考えて、チャイムがなり終わるより早く教室を出て
ポテトを買った。
なんだよ。緊張するな、女の子に緊張するなんて、初めてだ、

 私は休み時間になってもあの男の子の事が頭から離れなかった。
あーもう。私は机に顔を伏せた。
カタンと音がして、少し顔を上げると
目の前にポテトがあった。

「あの、ポテト、さっき俺がダメにちゃったから、揚げたての、ポテト、
えーと、ポテトをだから」

俺、何言ってんだよ。

「あ、ありがとう」
その子は、少し首を傾けてお礼をした。

「あの、俺とどこかで会った事ある?」
いきなり変だよな、こんな事聞いて

「あ、あの、私、私も、どこかで会った気がしてて、気になってて、だけど
わからなくて、知りたくて、だから
話したくて、」

え?俺と同じ事思った?やっぱり
知ってるのかな?

「あの、次の授業サボりませんか?
話したらなんかわかるかも」

嘘?私、なんかすごい事いっちゃった、

「うん、わかった、先生来る前に
急ごう」

急にその男の子は、私の手を繋ぎ引っ張って走りだした。
私も走った

「屋上へ行こう」
私達は、逃げる様に走り
屋上へ行った。

「あ、空、綺麗」
「本当だね。俺、空見るの好き」
「私も」

なんだか、急に落ち着いた。
初めてなのに。なんか懐かしいとゆうか、自然でアキラには緊張するけど、
この男の子には緊張しない。

俺は女の子は下心でしか見ていない
だけど、なんだろ、そうゆうんじゃない。いやらしい気持ちなんてない。
綺麗な子だな。
化粧はしてないよな。
消えちゃいそうに白いな。

私達は自然と話した。
小さい頃の事、親戚、小さい頃住んでた所、よく行くお店、習い事、
共通点を話したけど、何もなかった。

「ふう、なんか、なんだろね?」
私が言うと
「ねえ!!俺達散々話したのに。
自己紹介わすれてない?」

「確かに」
私達は笑った、嘘みたい。

どこでも会ってない事をしり。
なんで、あんな気持ちになったのかわからないままだったけど、
なんだか、昔から知ってるみたいで、
自然とずっと話してた。

「私、リカ、後藤 リカ」

「俺、水谷 ライト」

「ライト?」
リカが不思議な顔をしたなんでだろうって、俺は思った。

ライト、アキラの弟だ、なんか雰囲気全然違う。

私は、ライトにアキラの事を言えなかった。

「なんか、わかんないけど、リカと
仲良くなれる気がするんだ
なんか、リカと話してると自然で話せる」

「うん、私も、昔から知ってるみたいで、なんか、ライトには気を張らないで話せる」

「これからよろしく!リカ」

「うん、私もよろしくライト」

謎は解けないままだったけど、
急に親友が出来た様な感じがした。

 俺はなぜか、リカの前だとチャラい
カッコつけた俺じゃなくて、そのままの自分でいられる気がした。
そして、消えてしまいそうなリカを
守りたいと思ったんだ。


 私はライトにアキラの事なんで言えなかったのか、後悔してた。
まだ、お兄さんの彼女です。と言えるほど。アキラと付き合ってる事に
自信がなかった。だけど、弟なのに。
何も言わないままな事は、気になっていた。

土曜日。
私はタンブラーを2人分用意して
コーヒーを入れた。
まだ、5月上旬肌寒い時がある。
早く起きてしまったし。
初めてのデート、どうしていいかわからなかった。
サンドイッチを作った。
白いシャツに。デニムのパンツを履いて、ペタンこのバレーシューズを履いた。私のお出掛け服はこれしか無い、

アキラが迎えに来た。

「行ってきます」

「おはようリカ、河原公園行こうか
ゆっくり話をしよう。
あと、これリカ用の、お子ちゃま
ヘルメット」

そう言って渡してくれたヘルメットは
ピッタリだった。

「リカ頭ちっさいね」

「私、脳みそ小さいんだよ、きっと」

「リカらしいね!乗って、足、気をつけて、しっかり捕まってね」
私はアキラにしがみついた。

河原公園に着いた。
ベンチが並んでいて、川がキラキラ光ってる。

「リカ?俺さ、やっぱりリカの事が
好きなんだと思うんだ、なんか変な言い方だよね?」

私は笑った

「なんで笑うんだよ?」

「だって、好きかどうかよくわからないなんて、先に付き合ってるのに
素直に言っちゃう?」

「あ、そうだよな、ごめん。
上手く言えないんだけど。
気になって、気になって、だけど
好きってよくわからなくて。
昨日たくさん考えて。俺、リカが好きなんだ!って思ったんだよ」

「うん、なんかカッコつけた言葉より
嬉しい」

「リカはまだ、俺を好きじゃないよね?」
私はなんだか、その言葉が悲しかった
だけど。確かに、アキラに流されて
好きかどうかは…

「えっと私は…」

「いいんだ。俺、リカが俺をちゃんと好きになってくれるようにがんばるから」
私はその瞬間、大人っぽくてクールな見た目、スマートな振る舞い
そんなアキラがなんだか、すごく
素直にぎこちないセリフを言うのを聞いて、アキラが好きだと思った

「私、アキラ好き」

「え?」

「なんか、すごく嬉しいのだから
好きなんだよ」

「そっかあ」
アキラは、本当に恋愛を始めてする人みたいで、不思議だった。

「はい、コーヒー熱いよ」

「え?リカ持ってきたの?
普通、あのカフェ行きたい!とか
パスタ食べたいとか言うよ」

「え、私、デート初めてだし
あと、サンドイッチ」

「手作り?」

「うん。ハムと卵だよ」

「リカ、天然なんだけろうけど
理想的なデートだよ!
いただきまーす。
うん!当たり前に美味い!」

よかった。他人に料理した事ないから心配だった。
それにしても、アキラってオシャレだな
なんか、全て高そう。
私と釣り合わないんじゃないかな。

「ねえ、アキラ?私達釣り合ってなくない?なんか、素敵なアキラと
ポンコツなリカ」

「ちょっと笑わせるなよ
ポンコツって」

「だってアキラすごくオシャレだし
私、すごく普通」

「なんで?リカ可愛いよ。何着ても似合うよ。スタイルいいし、顔小さいし
自分でわからないか?」

わからないよ。私なんて
と、思った、なんだか、周りから
釣り合わないカップルがいると
思われてそうで不安になった。
私はタンブラーのコーヒーを飲んだ

「熱ッ!」
こぼした。白いシャツが茶色く染まる。

「大丈夫?」

私はすごく恥ずかしくなって
川に向かって走った。で、
思いっきり転んだ、
ゴロゴロした石の上。
デニムが破けて、血がにじんだ。
私は座りこんだ。
嫌だ、恥ずかしい。
血がどんどん出る、初めてのデートなのに、なにしてるんだろ?
私は虚しくて悲しくて情けなくて

「リカ?怪我した?」

アキラは自分のハンカチを私の膝に巻いた。

「デニム派手に破けたね?
キズ深いかな?」

「ごめんなさい」

「なんで、リカが謝る?」

「だって私どんくさくて、
初めてのデートなのに、コーヒーこぼして服は汚れて、転んで血だらけで、
なんか、私」

「リカ?どうして?痛いとか
ワガママ言っていいのに」
言えない、だってなんか、アキラは完璧で、私は、すごくマヌケだ、

「リカ、ダメだ、膝の血が止まらないよ
病院行こう」

私はアキラに連れられて1番近くの
整形外科に行った。
なんと、2針縫った。

「リカ、ごめん、こんなキズ深いなんて気づかなくて」

「大丈夫、私大丈夫だから」

「今日は送るよ、この膝じゃ連れ回せないし」

アキラに送ってもらって私は帰った

情けなくて仕方なかった。

【リカ〜!用事はないんだけど、
なんか、リカに呼ばれてる気がして笑
別に俺に用ないか?】
ライトからだ、

私は思わず、ライトに電話した。

「ライトー。痛いよ。情けないよ。
私、私、こんなんじゃ、、」

「え?何どおした?」

リカ泣いてるよな?何があった?
痛いって?

「リカ?今どこ?
リカの家から河原公園まで遠い?
俺、河原公園で待ってるから
なんかわかんないけど。
とにかく待ってる」

私は、自転車で15分位の河原公園へ
行った、さっきまで、アキラと
居たのに。
ライトは、河原公園のベンチに
スケボーを持って座ってた。
私は黙ってライトの隣に座った。

「お、びっくりした、リカ
どうしたんだよ」

「転んだ!」

「は?」

「だから、走って転んで、縫ったの2針」

「え?、で、その服は何をこぼした?」


「コーヒー」

「は?」

「もう、は?じゃないよ。
ライトのバカー!
コーヒーこぼして、転んで縫ったの!
もう嫌!私、情けないよー」

リカは子供みたいにグダグダ言って
泣いた。

俺はなんだか、どうして?助けてくれなかったのと、ワガママを言われたみたいで、なんだか嬉しいかった。

「スケボー?」

「は?俺スケーター」

「ん?スケーター?」

「え?リカ知らなかったの?
俺、一応プロのスケーター」

「あー!だから、ライトがクラスに来た時、女の子達がチヤホヤしてたんだ」

「リカ、知らなかったか」

「ごめん、あんま情報力ないの」

「リカらしいよ」

「あ!!リカ!この近くに、よく当たるって噂の占いがあるんだよ!
なんか、2人して何処かで会った事あるって思うなんてさ。占ってもらう?」


「うん!!」

私は占いは信じない
だって両親が、亡くなった日の朝
ニュースで双子座が一位だって
お母さんが言ったんだ、
ラッキーな日ですって。

だけど、聞いてみたくなったライトとの事、だって他に誰に聞く?

夕焼けがオレンジに紫が、かかって
綺麗だった。
占いの色は紫って思ってたから
占い日和だと思った。

薄暗い部屋、をイメージしてたけど
明るいくて。

私達は、2人の事を教えてほしいと
頼んだ。