入学して1か月位すぎたかな?皆んな高校生って感じで、中学の時とはやっぱり違うな、垢抜けてるって言うのかな?私は、ただのロングヘアーに、
リップを塗るだけ。
ギャルって言うのかな?メイクが上手で、キャピキャピしてる。
たくさん話しをしていて。たくさん笑ってる。私はその輪には入れずにいた。
中学の時、楽しかった、だけど、
卒業手前で私は、孤立した。
噂は、『人の彼氏を取った』と
私は友達だと思っていた子に、火のついたダバコを腕に何か所も押し付けられた。
親が居ないから常識知らずと言われた、
私の両親は私が4歳の時、事故で亡くなった。おじいちゃんとおばあちゃんに育てられたけど、おじいちゃんも亡くなり、おばあちゃんと2人暮らし
おじいちゃんは、外国の人で、
私はクォーターだ。髪が少し茶色くて
瞳も少し茶色い、肌は人よりだいぶ白い。この見た目も、中学の卒業前に
だいぶ馬鹿にされ、私は自分に全く自信が無くなった。
高校へ行ったら新しいくやり直すんだと!中学の子達と、繋がっている携帯を解約して。新しい番号にして。
私は高校生活を充実させるつもりでいた。だけど、今だに、卑屈になっている。新しい友達は出来た。
普通に、楽しい。だけどまだ、自信も勇気も、持てない。
私は、後藤 リカ。
今、高校生活青春しようと、もがいてる最中です。

 掃除の時間、私は少しこの時間が嫌だ
入学してから、ずっとここの掃除、
音楽室前の廊下、薄暗くって人通りはない。だけど、音楽室掃除は、三年男子らしく。カッコイイ人が居るとかで
皆んな音楽室を覗いてキャピキャピしている。
私はその、黄色の輪の中に入れないでいた。入りたい、私もキャピキャピして、青春したい。だけど、黄色い輪の中の子達に話しかける事もできず、
誰も、廊下掃除はしないし。
仕方なく私は1人で薄暗い緑色の廊下にモップをかけていた。
1人でモップをかけているのを人に見られたくなかったので、いつも急いで
バケツに水をくみ、モップを絞ると
緑色の廊下をさっさと拭いた、拭き終わると、バケツをすぐ片付けて、廊下の先の階段で時間を潰した。
階段は、死角になり人に見られない。
ホット出来る場所だ、

今日も、音楽室の扉は黄色の輪が出来ている。早く早く終わらせて階段へ行こう。

【バッシャー】
バケツにつまづいて転んだ、水だらけだ。
急いで水を拭き取らないと、
足首が痛い、怪我したのかな?
あんなにダイレクトにバケツをぶちまけても、黄色の輪の中には聞こえてないようだ。
恥ずかしい誰かに気がつかれる前に早く片付けてしまおう。
早く、早く、
【ツルッ!ドン】
「痛…」
滑った、また転んだ、最悪だ、早く立たないと、
うそ?、痛い。最悪だ恥ずかしい。
早くしたいのに。

「あーあ、大丈夫?」
え?誰かに、見られた。男子の声だ
もー、馬鹿にされる。
早く立たないと。

「ねえ、大丈夫?立てる」

「大丈夫です!!」

「いや、大丈夫に見えないし、ほら
捕まって」
私は下を向いたまま、

「大丈夫です。1人で立てますから」
と、言った。

「しょうがないなあ」

私の身体は、ふわっと上がった。
何?どうゆう事?

「ねえ、しっかり捕まってくれないと
困るんだけど、医務室連れてくから」

え?私運ばれてる。
私は恥ずかしくて、顔を埋めた。
耳まで真っ赤になってるのが自分でも分かった。
だけど、お父さんに抱っこしてもらった時の事を一瞬思い出した。
医務室へ続く廊下。始めは、パニックだったけど、なんだかとても嬉しい
私が転んだ事に気がついてくれた人がいた。
私を医務室に運んでくれてる、
少し見える景色からこの人は、背が高くて、力があるなと思った。
周りがザワザワしている。
なんだか、黄色の声が聞こえる。
お姫様抱っこで運ばれてるんだ、
ザワザワするよね、
なんとなく、嬉しいかった。
いや、すごく嬉しかった。
恥ずかしくてしかたなかったけど、
なんだとても安心した。この人の腕の中は、守ってもらっている気がして
嬉しかった。

医務室について、先生に見てもらった。湿布を貼ってもらった。
私を連れて来てくれた人はまだ医務室にいて、
私は顔を上げられずにいた。
先生が、
「職員室に報告してくるから
大丈夫そうになったらクラスに戻りなさい、無理しないでね」と
医務室から出て行った。

運んでくれた人にお礼を言わなくちゃ
私は少しだけ、顔を上げて

「あの、運んでくれてありがとうございました。」

え?何にも返事が無い。
どうしよう。

「あの、本当にありがとうございました。」

「うん。大した事無くて良かった!
それより、せめてお礼言う時くらい
顔上げてよ」

どうしよう。真っ赤な顔してるし、
顔上げられない、だけど失礼な奴だと思われちゃうよね、
私は顔を上げて
「本当にありがとうございました」と言った、
その人はとても穏やかな顔で笑っていた。

「ねえ、名前は?」

「あ、後藤 リカ、一年です」

「リカか?」

「俺、アキラ、リカさ俺の彼女にならない?」

「は??」

「答えすぐ欲しいんだけど、
ほらなんか直感?運命?みたいな
そんな感じに思ったらさ。
5数えるから。それまでに返事して
5.4.3..2ー」

「は、ハイ」
私は思わず、返事をした。
直感、腕の中に居る時とても安心したんだ。だから

「やった!じゃあ、リカ今から俺の彼女ね」

私もさすがに聞いて見る事にした

「あの、だけど、私の事さっき知りましたよね?それで付き合うんですか?」

「あはは!」
私はなぜか笑われた。なんだかバカにされてるんだと思って少し涙目になった。

「さっき知った子をいきなりお姫様抱っこでさすがに連れて来ないよ」

「え?どうゆう意味ですか?」

「名前は知らなかったけど、
廊下掃除に、なった時から知ってるよ
いつも、1人で掃除して、掃除終わると階段に隠れるの。皆んな掃除サボってるのに。1人で真面目に毎日
可愛い子だなって、思ってたら
転んだから、抱いて運んだ」

私は思わず、ビックリした顔をして
相手の顔をじっと見た。

「ん?どうした?」

私を知ってた、階段に隠れてた事も?
1か月も、
私は言葉が出なかった。
なんだか、すごく嬉しかった。
単純だな、私。

「リカ?それよりリカはいきなり
付き合うちゃって平気なの?」

私は、なんと無く騙されてもいいや
冒険しようと、思った、
始めての彼氏、いきなりお姫様抱っこしてくれた人

「はい、いきなり彼女で平気です」

「あは、変な言い方だな」

「あ、」
確かに変な言い方だったな

「じゃあ、放課後クラスに迎えに行く
今日時間ある?話しをしよう?」

「はい、わかりました。」

「リカ、何組?」

「3組です」

「あ、弟の隣のクラスか」

「弟さんいるんですか?」

「うん、4組にライトって弟」

「はあ、ライトくん?」

「ライトの隣のクラスね、じゃあ放課後ね!リカはゆっくり休んでから
教室戻りな」

そうゆうとアキラさんは医務室を出て行った。
私はしばらくぼーとしてた。

背高かった、大人っぽかった、
優しそうだったな。
私はそんな事を考えながら教室に戻った。
教室に戻ると、どうした?どうした?
と、やたら聞かれた、
私は湿布を貼ってもらった事だけ話した。
放課後本当に迎えにくるのかな?
私はドキドキしていた。
放課後になり、私は荷物をまとめていた。来るのかな?
しばらくすると、周りがなんだかザワザワしている。

「リカ?帰るよ!」

本当に来た
クラスの子達がとてもザワザワしていた。
いきなり迎えが来たんだもんざわつかれるか?

私は急ぎ足でアキラさんの所へ行った

「リカ、下駄箱で靴に変えて戻って来て、俺裏にバイク止めてるから
裏から帰るよ」

「はい、わかりました。」
私は言われた通りにした。
裏門へ行くとバイクが止めてあった
「はい、ヘルメット」

私は生まれ始めて、バイクのヘルメットを被った、いつも2個あるのかな?
女の子用?と思いながら

「あれ?リカ、ヘルメット、デッカいな」
私は首を振った、ヘルメットがグラグラ揺れた

「おい、リカ首取れるぞ!」

「あ、はい」

「リカ、天然?後で小さいメット買っとくわ!乗って」

「はい、わかりました。」
私はバイクに乗った

「足平気?痛くない」

「大丈夫です。」

「リカ?捕まってね、落ちるよ」

「あ、はい」

私はアキラさんの腰に腕を回した。
アキラさんはゆっくり走ってくれた。
コンビニに着くとアキラさんは
バイクを止めた。
「何か買ってこ、リカ何飲みたい?」

「ミルクティー」

「あ、ライトと同じだ、ミルクティー好き?」

「好きです」
私は思わずニコニコした

「あは、リカ子供みたいだな」

「この上がウチだから」
コンビニの上はアパートだった。

「どうぞ、入って」

「お邪魔します」
広いリビング、大きなソファに大きなテレビ、素敵なインテリア

「ココ弟と2人暮らしだから」

「あ!私もおばあちゃんと2人暮らしです」

「そうなの?両親は?俺は母親がライトを産んですぐ消えて、親父は基本海外にいるから」

「私は4歳の時両親を事故で亡くして」

「そうなんだ、なんかごめん」

「は、大丈夫ですよー」

「ねえ、リカ?なんで付き合ってくれた?」

「あ、だから直感?」

「そっか、一応俺前から気になってたからさ。ちなみに実は、女の子の事気になったのって、初めてなんだ。
今までの彼女は、向こうから付き合って欲しいって言われて付き合って来たから。自分からは始めてで、内心ビビって、すぐ、返事してなんて言ってしまった訳」

「はあ、」
私はなんか、意外で、そんな返事しか出来なかった

「リカは?どんな恋愛してきた?」

「あ、初めてです。付き合うの」

「やっぱり、なんかそんな気がした、
だから、すぐ付き合ってくれたの不思議だったんだ」

「私も、自分にビックリです」

「え〜、ビックリなの?いいの?
大丈夫?彼女で」

「ハイ!」

「めっちゃいい返事、なんかホッとした、俺、本当始めてなんだ、気になって、見て、なんか心配したりして」

「すごく意外です。アキラさんは
めちゃくちゃ慣れてて、軽くて、
付き合ってって言ったんだろうなって
だから、騙されてもいいやって」

「騙されてもって、チャラいと思うよね、やっぱ、、
でも、なんか変な言い方かもだけど
好きってこうゆう事かな?って思いながらリカの事見てたんだ。名前何かな?とか?彼氏いるのかな?とか」

私はアキラさんの話しは、本音な気がした。嘘が下手そうだと思ったから
「私、自分に自信なくて。だけど、
私の事知っててくれた人がいたんだな?って。それに、アキラさんに運んでもらった時本当に嬉しいくて、安心して」

「そっか、あ、アキラさんじゃなく。
アキラでいいよ。
それと、リカって目立つよ?ハーフ?」

「あ、クウォーターです」

「そっか、瞳が印象的で、透き通るみたいに白くて、天使みたいだよ」

私は顔が真っ赤になった
「そんなに顔にでたら嘘付けないね」

コンプレックスだった、バカにされた見た目、天使って言ってもらえた、

「リカ?こっち向いて」

【パシャ】
アキラはポラで私の写真を撮って
出てきた写真の私の背中に
白いペンで羽を書いた。

「ほら、天使!俺の天使」

私はなんだか、なんだか、、、
涙が出た、悲しかった、1人ぼっちな気がしてた。腕の火傷の痕をおばあちゃんに見られ無いようにして、
心配かけたくなくて。
自分が嫌いになって
私なんて、って思ってたから

「なんだよ泣くなよ」

「だって、なんか、私…」

「なんとなく、リカが泣いてるの分かる気がする」

アキラはそう言った、そして

「辛かったね。俺、リカ大切にするね


俺はなんで、辛かったね。と言ったのか。自分でもよくわからなかった。
だけど、リカを守りたいって思ったんだ、こんな気持ち初めてだった