俺の名前は太一
俺は主人公じゃ無い、
主人公は俺の天使リカだ。
俺は天使を探してる。今も、、まだ


「太一?今日の飲み会は、可愛い子
来るぞ」

「そうなんですか?今日もいつもの
お店ですか?」

「そうだよ、8時な!遅れるなよー」

俺は、女の子に人気の会社に入り
オシャレでスマートな先輩達に
可愛がってもらっている。
だけど、この会社に入るまでは、
俺は廃人の様だった
先輩にラグビーに誘われて、始めた
ラグビーは、俺を普通に変えてくれた
面倒見の良い先輩6人と俺
いつも、この7人で飲み会などをする
彼女がいないメンバーに彼女が出来るようにしてくれている。
入社して一年、彼女がいない俺に
先輩は、可愛い子を呼んでくれる。
ありがたいことなのだけど。
実は全く興味が無い。
なぜなら俺には好きな人がいる。
中学の卒業式以来会っていない
どこで、なにをしてるのかもわからない。だけど、それでも、俺は
彼女だけにしか興味を持てない。
俺の天使
彼女の名前は 後藤 リカ。


「はい。自己紹介お願いします」
先輩が女の子達に話しかける

皆んな同じに見える
ロングヘアーにワンピース
香水の匂いと、食事の匂いが混ざる
食欲がなくなる。

「太一?太一も自己紹介しろよ」

「あ、はい。
太一です。1番歳下です、24です。
宜しくお願いします」

先輩が
「ちなみに、太一は彼女がいません!
皆さんよろしく」

隆先輩だ、1番年上で結婚している。
もうすぐ赤ちゃんも産まれる。
奥さんは美人で、とても幸せそうな
家族だ、俺には手の届かない生活だ

「太一くん?隣いい?」
「あ、どうぞ?」
「太一くんて、車持ってる?」

毎回開かれる
飲み会で、女の子達が先輩達のどこを見ているのか、気がつきだしていた
時計、お会計の時のクレジットカードの色。そして、車、

「車?シボレーのシルバラード」

「え?どんな車?」
「あー、トラックみたな大きいやつ」
「え〜写真無いの?見せて」
「あー、えっとコレ」
俺は待ち受けにしてある自分の車を見せた。
「カッコイイ今度乗せて!どこかに
連れてって」
「あーそうだね。。。」

この車は、思い切って買った
リカの為の車だ、
この車をカッコいいと言っていたのを聞いた事があったので買った。
助手席に1番初めに乗るのはリカと決めている。
「連絡先交換しよう?」
「うん、いいよ」
俺は1人必ず連絡先を交換する。
わざわざ毎回飲み会を開いてくれているのに。あまりにも、女子に興味が無いのは申し訳ない。
結局好きな人がいると断るのだけど、

えっとこの子の名前なんだっけ?

「太一くん、おかわりは?みさき
太一くんと同じの飲む」

あーなんてタイミングがいい
みさきちゃんか。

「ごめん、トイレ」

そろそろ限界だ、トイレは飲み会の時の俺の癒しの空間だ、
人数が多いから、しばらく居ても気にならない。
俺は携帯に保存しているクリオネの
写真を見る。
リカに初めて会った時、クリオネみたいだって思ったんだ。
癒される。そろそろ出た方がいいかな?

「太一くん、みっけ!!もー見当たらないから探したんだよ。やっぱりトイレだった!長かったけど、平気?
気分悪い?」

「あ、いや大丈夫」
誰だこの子みさきちゃんじゃないよな?名前なんだろ、自己紹介聞いてなかったからな

「私、ミキ!連絡先交換したくて」

「あーごめん、みさきちゃんと
交換しちゃったよ」

「えー、みさき、佐藤さんと交換してたのに?」

あ、なんか、気まずいかな?
女の子同士…

「オレ、1人としか、交換しないんだ、ごめんね」

「え〜ずるい、みさき!私は太一くん
推しだって言ったのにー」

「まあまあ、皆んなまってるから
戻ろうよ」

俺はミキちゃんと席に戻った!

佐藤さんが
「太一2次会行くぞ」

「あー、すいません、2次会は、
キャンセルで」

「なんでだよ、太一2次会いつも来ないよな」

「すいません。やっぱり好きな子いるんで。他の子に興味もてなくて」

「太一?前から好きな子いるって言ってるけど、その子とはどうなってるんだよ?」

「あー、片想いなんで」
佐藤先輩は、初めて聞いてきた

「なあ、太一今度その、好きな子の事
詳しく聞かせてくれよ」

「わかりました。今度話しますね
すいません、いつも、お先に失礼します」

ふう、店の外は、あの独特な匂いがしない。
繁華街から、歩いて帰れる距離
やっぱり駅の近くのアパートにしてよかった。

星、見えないな、、早く帰ろ

「ただいま」

俺は毎日ただいま、と言う

そしてコーヒーを2杯入れる

テーブルに置き
「ただいま、リカ、遅くなってごめん
飲み会だったんだ、リカは今日どんな
1日だった?仕事はどう?順調?」
俺の1人おままごと。

リカと同棲する事を考えて、インテリアした部屋

自己啓発本で、こうなればいいな!
ではなく、こうなって、その後は、と
すでになっている様に生活する事で
それは現実なるとよんだ、
だから、

寝室にはキングサイズベッド
ベッドサイドテーブルには
ガラスのケースの中にシャープペン
リカが中学の時使っていたものだ、

クローゼットにはピケのパジャマが
夏用、冬用、下着も、ルームソックス
モコモコスリッパ
ブランケット
リカ用のクローゼットだ

キッチンには、2人分の食器
リカが使いそうだなと思った、
キッチン家電、

お風呂にはメイク落としや洗顔
パックや化粧水

トイレにはダストボックスと生理用品

そして。毎年クリスマスに買って来た
リカへのプレゼント。
誕生日を知らない…
だからだ、

俺はおかしい。分かってる
まるでモンスターだ、
リビングには、クリオネの写真を飾っている。
いずれ、ここにはリカの写真を入れるつもりだ、
俺は、妄想同棲をしている。
だけど、自分で決めたルールがある
リカをオカズにしない。
リカのいやらしい想像はしない
お陰で、俺の俺は、反応さえしなくなった。

オレはモンスターだ。分かってる。
だけど、リカは何処でなにをしているんだろう。
中学を卒業してから消息がわからないリカ…高校へ行って何があったんだ?
俺はこの時、ただ、自分がモンスターなだけで、それをどう先輩達に説明したらいいか悩んでいた。
リカのその後の事は知らないまま
複雑なパズルが始まるなんて、
想像もしてなかったんだ。