皇太子殿下は護衛騎士を斯く愛せり

ソフィアはキッパリと言い放った。

言いましたわ、わたくし-ーソフィアは顔を上げ目を輝かせている。

ソフィアの言い分は、本来ならば聞き捨てならないことだ。

身分が格上の者に逆らったとして、処罰されても仕方ない。

ルイスはソフィアが言ってしまって「ハッ」とした素振りさえ見せず、堂々としている様子に天晴れだと、ゆっくり拍手した。

「そちは清々しいほど、ハッキリしているな」

「はい、わたくしはそのように育てられましたから」

ソフィアは自慢気に、胸を張りフフッと微笑んだ。

カフェの主人が直々に、2人のテーブルに珈琲を持ってきた。

「若さま、お連れの方は実にハキハキしたお方ですね」

「そうだろう。そこが気に入っている」

「近衛騎士隊長のソフィアさまに似ていらっしゃいます。あの方も、男性相手でも怯まず堂々としていらっしゃる」

ルイスはそうだ、そうだと大きく頷いた。