「はっ! ありがとうございます。私は軍人として、そのように育てられました。お褒めの言葉として受け取らせていただきます」

「早く休め」

「はい、では下がらせていただきます」

ルイスはソフィアが引き上げるのを目で追いながら、「気に入った」と1人ごちた。

ガラスの靴の令嬢が見つかったら、ルイスが女王に冗談のつもりで言ったことだった。

だが、ソフィアが自分の護衛になった日からのことを振り返ると、ソフィアのような女性は他には絶対にいない、確信が深まっている。

靴屋のショーウィンドウには、ソフィアのためにあつらえたガラスの靴の片方が展示されているのだ。

靴屋は皇宮でソフィアにガラスの靴を試着させた後、ちゃっかり片方は大事に抱えて持ち帰ったのだ。

靴屋はソフィアのガラスの靴をショーウィンドウに展示し「舞踏会でのガラスの靴の令嬢を探しております」と、値札の代わりに告知しているのだった。