「本日付、皇太子殿下の護衛を賜りました、ソフィア・マクドネルです」

皇太子殿下ルイス・スチュアートが前任の護衛者から、護衛交替の報告を聞いたのは1週間前だった。

ルイスは護衛など誰がやっても変わらないさと、さほど気に止めてはいなかった。

だが、ルイスはソフィアの口上を聞くや、目の前のソフィアを目を凝らし、繁々と見つめた。

「!? それもまだ成熟前ではないか」

ルイスの口から思わず出た言葉に、ソフィアは「なんと失礼な」と思い、グッと拳を握りしめた。

「はばかりながら、昨日まで近衛騎士長を勤めておりました」

「そなたが? そなた、歳は? 騎士階級は? 得意魔法術は?」

「はっ! 歳は17、騎士階級は小将にございます。魔法術全般を心構えております」

「なるほど……」

ルイスはつま先から頭の先までゆっくりとソフィアを観察した後、ふふんと納得したような声をあげた。