「そうですね。私の返事はともかく母上のお見立てはいかがでしたか」

王妃はハァ~とため息まじり、頭を抱えた。

「貴方の妃が務まるような令嬢は…残念ながら。この先も果たして見つかるかしら」

「申し訳ありません。私もそう思います」

ルイスは答えながら、ソフィアは妃としてどうかを考えていた。

「貴方が最後に手をとった令嬢は何処の誰だったのかしら? 凛として気品があり、とても優雅でしたわ」

「私も気になって、あれから捜索依頼を出しているのですが、未だに見つかりません」

「まるでシンデレラですね」

「そのようです」

ルイスは女王陛下との会話を白々とかわし、「私には未だ機会が先のようです」と、笑ってみせた。

「落ち着き払っている場合ですか? 世継ぎにまた妃候補も定まらないと、笑い種になっているのですよ」

「ご苦労ばかりおかけしてすみません」

「本当に貴方には困ったものです」

「そうですねーーガラスの靴の令嬢が見つかったなら、考えてみますよ。今日のところは公務の準備がありますので、下がらせていただきます」

「殿下!」

ルイスは女王陛下の本格派な小言が始まるのを察知し、早々に退散した。