「ソフィア・マクドネル。本日を以て皇太子殿下の護衛を命ずる」

「はっ! ソフィア・マクドネル。身名を賭し、大任をまっとうさせて頂きます」

ロイヤルブルーの軍服に身を包み、ソフィアは颯爽と敬礼した。

ソフィアは15歳で士官学校での成績を認められ、異例の抜擢で帝国近衛騎士団に入隊した。

入隊から2年。
近衛騎士長に抜擢され、女性ながらに騎士団を率いてきた。

射撃、馬術は当然、武術全般、魔法術、語学、教養、作法……etc。

日々、鍛練と研さんを怠らず、自身を磨き、兵士の機動力向上に努めてきた。

巷では、ソフィアを軍服の麗人と呼び、一目おいてはいたが、一方で別の呼び方もされている。

ソフィアが「皇太子護衛の任に着いた」ことは瞬く間に、皇宮中を駆け巡った。