「直月先輩は……直月先輩だよ」
「でも、好きなんでしょ?」
「え?好き?」
「うん、だってさー、ハンバーグの顔といち子ちゃんの話きいてから顔が違うもん」
「そっかな……」
「もうさ、れーなちゃんに意地悪しないから素直になってよ、れーなちゃんて俺に全く興味ないもんな(笑)」
「素直とは?」
「好きっていう自覚?かなー」
帷くんはそう言うと前を向いてしまった
好き?
直月くんの事は小さい時から好きだけど
それじゃあ駄目なのかなぁ……
授業が終わると帷くんはいつでも相談に乗るよと声をかけて帰って行った
いち子にバイバイと告げて部活に行った
部活が終わると直月くんからLINEがきていた
“ 傘持ってる?持ってないなら一緒に帰ろう”
朝は一緒に行ってくれないのに、雨の日の帰りは一緒に帰ってくれるんだよね
まあ、全員帰ってからっていうのが条件だけど
でも……
今日は……
もし直月くんが紫織先輩と付き合うのなら……
私は直月くんの隣を歩いちゃいけない
玲夏は涙を流しながら雨の中を走って帰っていった
全部流して……
家に帰るとシャワーを浴びた
直月くんが帰ってくる前に落ち着かなきゃ
“ 先に帰る”と直月くんにLINEは送っていた
普段通りにと自分に言い聞かせて部屋にいるとコンコンコン!と3回ノックがあった
「何?」
「玲夏、何で先に帰ったんだよ」
「早く帰りたかったからだよ」
「……そうか、メシ食べよ」
「はーい」
玲夏がダイニングに行くとハンバーグを直月くんが温めてくれていた
「母さん、遅くなるって、ほら座れよ」
「ありがとう」
『いただきます』



