直月くんは椅子に座って背をむけている
「……別に」
「怒ってるもん」
「怒ってない……考えてるんだ」
「何を?」
「……だから……玲夏を守る方法」
「私を守る?」
「あいつといたから玲夏が撮られたんだろ?」
「まあ、人気モデルみたいなのよ、知らないけど」
直月くんは机に頭を落とした
「あ〜、僕が同じクラスなら……」
ん?
「何言ってんの?学年違うし」
「わかってるよ!」
はぁ……とため息をつきながら立ち上がった
「ご飯食べよ、直月くん」
「あぁ……」
後ろから服を引っ張り
「明日はちゃんと部活にでるから……」
「ん…」
軽く頭をポンポンとしてくれた
どうやら機嫌は直ったみたいだ
朝、学校に着くと帷くんはお休みで、LINEをしてみたら仕事と返信がきた
まあ、体調不良とか、足がひどいとかじゃなくて良かった
2日後に私との写真は出ないと連絡が入り、直月くんにも伝えるとホッとした様子だった
自分は何もしてないのに、直月くんに心配をかけてしまった
帷くんのお仕事の世界はなんて窮屈なんだろうと改めて思った
その仕事をする覚悟も当然いるわけで、帷くんはあと1週間くらい仕事で休むと聞いた
朝から女子達が噂している
どうやら帷くんの記事らしくて、共演者との写真が掲載されたようだ
いち子が携帯を見ながら帷くんの席に座る
「ちょっとした騒ぎだね」
「うん」
「これが原因で学校休んでるのかな〜」
当然私との写真の事はいち子には話せず
あいまいな返事しかできなかった
「帷って一人暮らしなんだって、マンションにも、学校にも記者がはりついているんだろうな〜」
「……学校くらい自由に過ごさせてあげたいよね」
「玲夏……」
次の週には帷くんも学校に出てきていた
友達にも仕事だったんだよと明るく笑っていた



