「近いよ高瀬くん」
「そっかなー(笑)」
「もう、からかってるでしょ」
「えー、どうかな」
クスクスと笑い声が耳に響く
「ほんと、可愛いんだから……」
えっ!
「やばっ、俺もドキドキしてきた(笑)」
そう言うとゆっくり離してくれた
「ねぇ、まだ?」
いち子の声に高瀬くんが振り向く
「玲夏ちゃんがバック引っ掛けたみたいでさ、もう少し待って」
「わかったー」
私は後ろに下がり自分で紐の引っ掛かりを外した
「玲夏ちゃんもドキドキした?」
「それは……知らない!」
玲夏は赤くなってる自分の顔を手で隠した
「行こ!」
手を繋がれてバスをおりた
いち子がいるのに
「玲夏ちゃんがこけそうになってね、意外とそそっかしいね(笑)」
バスの階段を降りると手を離してくれた
「あ、ありがとう」
恥ずかしくて顔を上げることができない
「高瀬くんは優しいね」
いち子はケラケラと笑いながら言った
高瀬くんはキャップを深く被り直して3人で歩き出す
いち子は先に歩き後ろに高瀬くんと私が歩いていた
「休みの日に仕事なんて大変だね」
高瀬くんに聞くと
「うーん、でも好きでしてるから大丈夫(笑)」
「平日も仕事あるの?」
「そうだな、単位落とさないように今はセーブしてくれてるかな(笑)」
「いきなり1週間いなかったもんね」
「ドラマが押しちゃって仕方なかったんだよ」
「ふーん」
「玲夏ちゃんはこういう世界に興味はないの?」
「無い」
「(笑)ハッキリだなぁ」
「だって本当の事だもん」
「でも、そうだから話しやすいのかも」
「ん?どういう事?」
「やっぱり興味のある子って仕事の事を色々聞いてくるんだよね」
それはそうでしょと返す



