「……好きだよ、
出会った時から…!」




そうじゃなかったら、


紫央くんと友達になりたいと、言えなかったかもしれない。



諦めかけてた紫央くんを、引き止めなかったかもしれない。




「紫央くんだったから、
諦めずに話しかけたんだよ…!」



「…っ、なにそれ。
あーなんだよ〜。
んなの、嬉しすぎるじゃんか」




繋いだ手を引っ張って、


紫央くんはぎゅうっと私を抱きしめた。




「俺だって、一目惚れだよ。
だから話しかけたんだよ」



「うん……ありがとう」



「……お礼言うのは俺の方だよ。
諦めないでくれて、ありがとう」




ぎゅっと抱きしめ返したら、


道行く人にジロジロ見られてるのに気付いてバッと離れた。