私はなんで今、悠真に告白したの?

 えっと、まず、私は陸くんに部活終わったら教室に来てほしいって話をしたよね?

 だから、教室の中にいるのは、陸くんなはずで。

 でも実際にここにいたのは、なぜか悠真。

 うーん。頭が混乱する。

「なんか、告白されるのって嬉しいな」

 優しい目で微笑んでいる悠真。
 あぁ、これ、普段見せない顔……。

「あ、あのね、悠真、悠真じゃなくってね……」

「よろしくな!」

 私の言葉をさえぎるように、彼は言う。
 彼は今、期待に満ちたような顔をしていた。

 誤解を解けない雰囲気。

「付き合う、か……」

 彼はそう言いながら、手を差し出してきた。

「えっ? 何?」
「恋人って、毎日手を繋ぐんじゃないの?」
「そうなの? 映画とかで繋いでいない恋人もいるような、いないような」
「嫌か?」
「……いいよ」

 彼の言葉に流されて、手を繋ぐことに。

 結局、誤解は解けなくて。
 悠真と付き合う流れになっちゃった。


 手を繋いで玄関まで行くと、玄関に人が数人いた。手をこっちからパッと離した。悠真と手を繋ぐのは全然嫌ではなかったけど、なんか人目が気になっちゃって。

 
 うん、本当に手を繋ぐのは嫌な気持ちはなかった。なんだか心がホンワカした。