「それにね、女性専用アパートっていうのも問題よ。住人同士の近所付き合いを考えたら、安心かもしれないわ。
でも、そのアパートが女性専用だとわかっていたら、外からは狙いやすくなるの。
たとえ、あなたがお洗濯物を干す時に、男性物の下着とか衣類を一緒に干していたとしてもね、それ無意味よ。
元々そのアパートは女性専用なんだから、フェイクに決まってるじゃない」

「あ」

まさにそれだった。
ちゃんと男性物も一緒に干してるから大丈夫って思ってた。

私の表情を読み取ったのか、目の前で公親くんが睨んでいる。

……う、マヌケでごめんなさい。

「とりあえず、公親のマンションにいなさい。あそこならセキュリティも完璧だし、安心よ。
ああ、もちろんうちに来てくれてもいいのよ? 公親の部屋が空いているし」

「母さん、それは美由紀が気を使うから…」

「ま、そうよね……え? 何……」

少し雑音がきこえた。