ここに着いて、まずは洗濯物を回している間に風呂にはいってこいと厳命された。

たしかにお風呂には入りたかったけど、それは自分の部屋でのことなんだけど…

シャンプーとコンディショナーまで気が回らなくて、持ってきていなかった。
仕方ない。今日はお借りすることにしよう。

昨日の夜は、やっぱりお酒が残っていたのかしら…

一緒にシャワーを浴びるなんて、大胆なことをしてしまった。

元カレとは、恥ずかしくて絶対に避けていたことだったのに…

でも、公親くんならいい。
シャワーの間も離れたくないって思ったのよね…

恥ずかしいより、好きが勝っていたのだと思う。

ただ、あらためてお風呂の中を見回すと、昨日のことを思い出してしまって、昨夜の大胆な自分を呪いたくなる。

……恥ずかしい……

お風呂につかりながら考える。

公親くんは、私の婚約者だと名乗った。
それはあの場では最も最善の名乗り方だったのだろう。

ただの友人では、警察官に相手にされなかったかもしれないから。

でも、本当に良かったのかしら…
公親くんの好意に甘えて。