「…あの、大丈夫よ?」

大丈夫なわけあるか!
どうしてこう、危機管理がなってないんだ?

「わかった。とりあえず、荷物をまとめて。」

「え、でも…」

「俺のマンションに来い」

「へ?」

「余っている部屋があるから、そこに住め」

「い、いや、いやいやいや…それはちょっと…」

「……そんなに嫌か。
『嫌』ばっかり言って…」

「ち、違うの! そうじゃなくてっ!」

「じゃあなんだ?」

「お、お世話になるわけには…
だって、学園のこともあるし…」

まあ、やっぱりそこは問題だよな…
……って、引く気はないけど?

「わかった。じゃあうちに電話するよ。」

「うち?」

「母親に。実家の俺の部屋に住めばいい。ちょうど娘を欲しがっていたんだ。
あの人達、喜ぶぞ〜」

「な、何を!?
行けませんよ!
……乾校長のお家だなんて…」

「猫アレルギーは?」

「はい?…………ない、けど…」

「良かった。
生後半年のマンチカンがいるんだ。」

「え」

お、興味を持ったぞ。

「俺もキティに会いによく帰るから。
だから、」

「ちょっと待って!
キティちゃんには会ってみたいわ、でも無理よ!
……そんな突然…」

「どうして? 気を使うから?」

「あ、当たり前です!」

「だったら俺のマンションに来い」