目を覚ますと、寝室の窓に朝日が差し込んでいた。

隣にいるはずの美由紀がいない。

抱き合った後、二人でシャワーを浴び、また抱き合った。

正直、あまりにも久しぶりで、理性をなくしていた。

彼女の濡れた唇を見た瞬間襲いかかるなんて、今までの俺じゃ考えられないことだった。

試したこともないが、俺は多分好きな女しか抱けない。

元カノと別れてから、昨日のあの時まで、そんな気には一切ならなかったんだ。

でも昨日は……

ブランクがありすぎて、気遣えたとは思えない。欲望のまま抱いてしまった気がする。

まさか、呆れられた?
だから寝てる間に帰ったのか?

俺は飛び起きた。
サイドテーブルから予備の眼鏡を取る。

リビングに出ると出汁の匂いがした。

「美由紀 …?」

「あ、起きた?」

「いた……」

「え?」

良かった……
帰ったんじゃなかったんだ。

「……今何時?」

手元にスマホがない。
昨日家に帰った時、ワイヤレス充電に乗っけたままだ。