……と思ったのに、園長先生がおいでおいでしてるーーっ!!

「あ、あの…」

そこでやっと、公親先生が私の存在に気づいた。

「あ、美由紀先生、おはようございます」

「お、おはようございます」

「美由紀先生、今ね、公親先生にお礼を申し上げていの」

「あ、は、はい!
……あの、公親先生、昨日はご迷惑をおかけしました。幼稚園のためにありがとうございました」

私は思いっきり頭を下げた。

園長先生が自らお礼を言ってくださったのだ。
園長として当然のことなのかもしれないけど、申し訳ない。私のミスが原因だったのだ…。

「いや、俺も勝手なことしたから、今さらだけど園長先生にご報告させてもらって…」

「あの、私のミスのせいですから…」

「まあまあ、二人とも。
災い転じて福となすって言葉があるでしょう?
いえ、雨降って地固まるかしら……?
どちらにせよ、あれ、とっても良かったわ。
ね? みんな?
公親先生と美由紀先生のなぞなぞ、面白かったわねー?」

「「「面白かったーーー!!」」」

そこにいた園児たち皆が園長先生に同意した。

よ、良かった……
一応、成功だったんだわ。

「依子先生、子供たちをお願いしますね。ちょっとこのお二人にお話があるの」

「はーい!
じゃ、みんな行きましょう!」

そう言って、私に向けてニヤリと笑った依子先生が、子供たちを園に連れて行ってくれた。

…………お話って、なに?