「…………プッ、つ、ツッコミって…
乾先生が? 」

あ、笑った。

「そうだよ。俺の親友は頭はいいんだけど、どっちかと言うとボケ担当だったんだ。
だから俺はツッコミ。
問題ない。任せとけ!」

クスクスと笑う美由紀先生。
良かった……

「よし! じゃあセリフを教えてくれる?」

「あ、はい!
でもその前に、主任に報告を入れます」

「……そうだな。それは大事だ。
今すぐ連絡とれる?」

「多分大丈夫かと……」

主任の尾崎先生は、俺も会ったことがある。この動画を手伝い始めた時に、挨拶をされた。

電話は直ぐにつながり、OKは出た。

よし! 今から撮影だ!

「あ、あの……公親先生とお呼びしてもいいですか?」

「え」

「いやっ、あのっ、よ、幼稚園では下の名前で先生を呼ぶんです!」

「あ、ああ、なるほど。
じゃあ名前呼びで!
そうだな。郷に入っては郷に従えだな」

「あの、じゃあ……き、公親先生、よろしくお願いします。」

「……うん」

……変だな。
美由紀先生に名前で呼ばれると、なんかくすぐったい気分になる。


こうして、俺は動画撮影を手伝い始めてから、初の動画出演を果たすことになった。