翌週、美由紀先生が担当することになって初めての撮影会が行われた。

俺も気になっていたから、撮影が終わる頃を見計らって、幼稚園に顔を出すことにした。

ひよこ組の保育室を覗く。
すると、パソコンに向き合っている美由紀先生の姿があった。

でも、ただ見ているだけ?
何をするでもなく、ボーッとしているような……

「美由紀先生?」

「……!! 」

俺の声掛けに余程驚いたのか、体をビクッと震え上がらせ、顔をこちらに向けた。

「あ……い…ぬいせんせ……」

「どうしたんだ!?」

顔色が悪い。
俺は断りも入れずに靴を脱ぎ、保育室に上がった。

「何があった!?」

「あの……」

「え!」

な、泣いてる!?
俺の聞き方がキツかったのか?

「ご、ごめんっ!
俺の聞き方がキツかったか?
その……青い顔をしてるから、なにかあったのかと…」

「ち、ちがいます……」

「じゃあどうしたんだよ、一体?」

「……」

うるませた目を見せないように、俺から目を逸らそうとする。

なんなんだよ。気になるだろうが!