昔の俺って、どんなだった?
少し前のことなのに、もう思い出せないな。

心も身体も、名前まで、全部俺のものにしたい。

「今ね、私、すっごく幸せな気分。
ドキドキとワクワクが一気に押し寄せて来てるのに、心の根っこはとっても落ち着いてるの。んー、感じているのは幸せな安心感、かな。

公親くん、
……これを提出したら、乾 美由紀になります。
不束者ですが、末永くよろしくお願いします」

美由紀が突然あらたまって頭を下げた。

ここは、俺も背筋を正さないといけないところ。

「こちらこそ、よろしくな。
俺が美由紀を幸せにする。
美由紀、一緒に幸せになろう!
家族になろう!
ずっと一緒にいような
……愛してる」

「私も、愛してる!」

笑顔の美由紀が、俺の腕の中に飛び込んできた。







[完]