「……大丈夫、だよ?
美衣子は強いんだ。
一番安全な方法で出産したいって」

「優…」

安全って言っても、腹を切るんだよな?
それだけで痛そうなんだが…

「男って、本当に何も出来なくってさ…
でも俺も、強くならないと……
俺が美衣子を支えないと…」

そう言った優の顔は少し青ざめていて、でも覚悟を決めた顔だった。

「うん。美衣子は強い。
それに、昇平が取り上げるんだろう?
あいつは同期でいちばん優秀な奴だったんだ。
なんでもソツなくこなすし。
大丈夫だ」

「うん」

「あー……優先生?
ごめん、勝手に話を聞いてしまって。
俺たちは何の役にもたたないけど、明日、小聖堂で祈りを捧げるよ」

「俺も! 祈りを捧げることくらいしか出来ないけど、美衣子先生と赤ちゃんの無事を祈るよ!」

「……うん。淳ありがとう。
前田先生もありがとうございます!」