「あ、公親!! やっと見つけた」

そこへ優がやってきた。

「美衣子の後任の先生と結婚するって本当なの!? 」

「おう! そういうことになったんだ。
……誰に聞いたんだ?」

「伯父だよ。坂上校長。」

ああ、うちの親父と同期だもんな。
筒抜けか?

「乾校長、もうお相手のご両親に電話で挨拶したって、朝イチで報告に来たらしい。
めっちゃ喜んでるんだろう?
親父さん」

「ああ。まあな…」

あの人、おそらく学園内で言いふらしているな…

ま、牽制できていいんだけど?

親父、いい仕事するじゃないか。

「おめでとう!
良かったな〜! 
電撃結婚でびっくりしたけど、俺も嬉しいよ。
でもさ、美衣子に言ったら腰抜かしそうになってたよ。
もうっ! 明日手術なのに産まれたらどうするんだよ〜」

「ああ、それは申し訳ない……って手術?
手術ってなんだ? 」

俺たちの会話が聞こえた前田先生と淳之介が、ぴたっとおふざけをやめて話を聞きに来た。

「逆子なんだ。だから、予定日まで待たず、帝王切開で取り出すことになった」

「……」
「……」
「……」