「それ、違うからな。
あの人たちが勝手にやってたことだ。
俺も美由紀ちゃんも、なにもないから」

「……本当に?」

「ああ。
親友の義妹なんだ。
小さい時から知ってるけど、あの子いい脚してるんだよ!
ずっと陸上続けて欲しかったくらいにな」

「あぁ、なるほど……」

この人陸上バカだったな…

「まあ、俺は淳之介といる方が気楽でいい」

「「え」」

今なんて言った!?

ひょっとして、前田先生ってそっちの人!?

俺と淳之介は思わず目を合わせた。

ひぃ〜っ

淳之介が脅えきった顔をしている。

「ま、前田先生……お、おれ、そっちのケはないんですけど…」

ノーマルです!
ノーマルですっ!!

と訴えている……

「バカか。俺だってノーマルだわ。
ただ気を使わないって言っただけだ」

お前可愛いなー! と言いながら、前田先生がヨシヨシと淳之介の頭を撫でている。

……見なかったことにしよう。

「あ、じゃあ、あとは二人で……」

「ぎゃー!! 待って!
公親先生たすけて~!!」

俺は知らん