「あ、公親先生!
さっき乾校長からきいたんだが…」

「前田先生…」

俺と淳之介が話していた場所は、学園の焼却炉の横にある喫煙所だ。
ベンチが4つ置いてある。

焼却炉には子供たちの立ち入りは出来ないので、ここは大人だけが来る場所になっている。

今現在、タバコを吸う人が学園にはいないようで、ここで喫煙している人を見たことがない。

ただ、喫煙所という名前からか、ここで缶コーヒーを飲んだりするのは男性職員しかいないのだ。

ここが男のたまり場になっているのは皆知っていた。

昼休みや、放課後、一息つきたい時には各学部から皆ここを訪れる。


「美由紀先生と結婚するんだって?」

「あ、は、はい…」

淳之介いわく、ランサークルでは噂のあった二人だ。

これは、何か言われるのか……?

「おめでとう!
一言だけ言っておきたくて」

「……はい」

「俺のことは気にするな」

「え」

「どうせ、淳之介から聞いてるんだろう?
俺と美由紀ちゃんを校長達がくっつけようとしてたこと。違うのか?」

違わない。

「……はい…えーっと………」