ピコン

「あれ? また来たみたいだよ?」

「どれ?」

『指輪の事だけど、美由紀ちゃんは幼稚園の先生だから、スッキリしたデザインじゃないとダメよ?
キラキラしたのはダメだって聞いたわ』

「「なるほど」」

そういうわけで、梅林を出たその足で百貨店に行き、とてもシンプルなデザインのペアリングを購入したのだ。




「は、早業っ!!」

「俺、仕事は早いから」

「公親先生のファン、泣きますよー」

「なんだよそれ、そんな物好きいないよ」

「……まあ、いいですけど
籍はいつ入れるんですか? 」

「今週末、彼女の両親が来られるんだ。
その時に書類も持ってきてくれる。
その足で提出しに行こうと思ってる」

「……そうですか…
おめでとうございます」

「ありがとうな!」