ハーバンが何やら一人でぶつぶつと呟いている。
「まさか、キスしようとしてないですよね?」
「キ、キス?誰が、誰にっ」
ハーバンの言葉に大声が出る。
「そりゃ、殿下がミリア嬢にですよっ!ほら、呪いを解くには王子のキスがみたいなの、殿下好きでしょう?」
うっ。
嫌いじゃないよ。
僕の能力が誰かの呪いを解いてあげられるのかもと……思うと。
もしかしたらこの物語の王子も僕と同じ浄化能力の持ち主だったのかもしれないと想像したりしちゃってさ。
だ、だけど……。
「キ、キスするわけないじゃないかっ!」
女性とろくに手もつなげないのに、キスだなんて……。
僕がミリアにキスをしているところが思わず脳裏に浮かぶ。
かわいいサクランボのようなミリアの唇に、僕は顔を近づけ……。
ああああああっ。
僕はなんて破廉恥な妄想を!ごめんなさい、許して!
■
「スイマセン、懺悔しますっ」
「……殿下、一人浄化しないでください。殿下の懺悔など聞きたくありません。どうせろくでもない懺悔なんでしょ?」
はっ。そうだった。つい、僕に浄化された人たちがしょっちゅう周りで懺悔しているので、僕も心のやましさを懺悔というなの暴露してしまうところだった。
「で、突き飛ばされて、他には?」
「用がないなら帰れと言われた。それから近づくなって」
ハーバンがぷばっと噴出した。
「あはは、殿下、めっちゃ嫌われてるじゃないですか?くくく。仮にも相手は若い女性でしょう?殿下がそんなこと言われるなんて……あはは」
何が楽しいのか、ハーバンが笑い出した。
「違う、嫌われてないっ。ミリアは、僕のことを心配してそう言ってくれたんだ!」
「はい?」
「毒令嬢という噂……彼女は本当に体に毒を宿しているんだ。彼女が触れた草が枯れるのを見た」
「……なんと、触れただけで草が枯れたと?」
ハーバンの言葉に頷く。
「人に触れると、触れた相手は気分を悪くしたり、触れた場所が赤く腫れあがったりするらしい。毒の影響を強くうけるものは触れなくとも同じ部屋にいるだけで気分が悪くなったり熱を出したりもすると……だから、彼女は……ミリアは僕に何かあってはいけないと。距離を取るように突きとばしたり、用がないなら帰れと言ったり、近づくな……と」
ふぅーんとハーバンが生返事をする。
「まさか、キスしようとしてないですよね?」
「キ、キス?誰が、誰にっ」
ハーバンの言葉に大声が出る。
「そりゃ、殿下がミリア嬢にですよっ!ほら、呪いを解くには王子のキスがみたいなの、殿下好きでしょう?」
うっ。
嫌いじゃないよ。
僕の能力が誰かの呪いを解いてあげられるのかもと……思うと。
もしかしたらこの物語の王子も僕と同じ浄化能力の持ち主だったのかもしれないと想像したりしちゃってさ。
だ、だけど……。
「キ、キスするわけないじゃないかっ!」
女性とろくに手もつなげないのに、キスだなんて……。
僕がミリアにキスをしているところが思わず脳裏に浮かぶ。
かわいいサクランボのようなミリアの唇に、僕は顔を近づけ……。
ああああああっ。
僕はなんて破廉恥な妄想を!ごめんなさい、許して!
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「スイマセン、懺悔しますっ」
「……殿下、一人浄化しないでください。殿下の懺悔など聞きたくありません。どうせろくでもない懺悔なんでしょ?」
はっ。そうだった。つい、僕に浄化された人たちがしょっちゅう周りで懺悔しているので、僕も心のやましさを懺悔というなの暴露してしまうところだった。
「で、突き飛ばされて、他には?」
「用がないなら帰れと言われた。それから近づくなって」
ハーバンがぷばっと噴出した。
「あはは、殿下、めっちゃ嫌われてるじゃないですか?くくく。仮にも相手は若い女性でしょう?殿下がそんなこと言われるなんて……あはは」
何が楽しいのか、ハーバンが笑い出した。
「違う、嫌われてないっ。ミリアは、僕のことを心配してそう言ってくれたんだ!」
「はい?」
「毒令嬢という噂……彼女は本当に体に毒を宿しているんだ。彼女が触れた草が枯れるのを見た」
「……なんと、触れただけで草が枯れたと?」
ハーバンの言葉に頷く。
「人に触れると、触れた相手は気分を悪くしたり、触れた場所が赤く腫れあがったりするらしい。毒の影響を強くうけるものは触れなくとも同じ部屋にいるだけで気分が悪くなったり熱を出したりもすると……だから、彼女は……ミリアは僕に何かあってはいけないと。距離を取るように突きとばしたり、用がないなら帰れと言ったり、近づくな……と」
ふぅーんとハーバンが生返事をする。


