「よし、これでハンバーグ作れる…!ありがとう、青峰くん!」


 私がそう言うと、青峰くんは気まずそうに顔を逸らした。


 今は買い物が終わって、家へ帰る途中。


 青峰くんは買い物中はカートを押したり、私が会計してる時には袋に買ったものを入れてくれたりした。


 そして今は青峰くんと私、2人とも袋を持っているけど、たぶん青峰くんは重い方を持ってくれてる。


 この買い物で、青峰くんの優しさに触れた気がした。


 というか、今も青峰くんが車道側歩いてくれてるもんね。


 買い物中も今も、ほとんど会話はしてないけど。


「…青峰くん、なんで買い物一緒に来てくれたの?」


 言った瞬間、私はすごく後悔した。


 青峰くんが私を不機嫌そうに睨んだから。


「…は?」


 や、やばい、怒ってる…。


「いやいや!あの、や、やっぱいいです…!」


「…ご飯。作ってくれるなら、なにか手伝わないとだろ」


 青峰くんはまた私から顔を逸らして、小さな声でそう言った。


「俺、料理できねーし」
 

 青峰くん、私だけにいろいろさせたら悪いって思って、買い物に着いて来てくれたんだ…。


「ありがとう!本当に助かったよ。…美味しいハンバーグ、作らなきゃ!」


 私が心から笑ってそう言うと、青峰くんはまた顔を逸らした。


 本人に言ったら怒られそうだけど、青峰くんのこと、ちょっと可愛いなって思った。