数日後の朝。


 私と翔くんは並んで学校への道を歩いていた。

 
「あっ!」


 あるお店の壁に貼られたチラシを見て、私は足を止めた。


「きれい…」


 私がそう言うと、翔くんはなに、と近づいてきた。


「…"夜へ誘う星ノ海遊園地"?」

 
 私が見惚れていたのは、私たちが住むこの街から電車で二駅ほど行ったところにある、星の海遊園地についてのチラシだった。
 

 その星の海遊園地が、期間限定で夜も開園するらしい。


 イルミネーションとか、きれいなんだろうなぁ…。


「くるみ、行きたいの?」


「うん!なんかロマンチックじゃん」


 …できれば、翔くんと。


 でも、そんなこと言えない。


 観覧車とかから街を見下ろしたり、ベンチに座ってイルミネーションを見たり。


 翔くんと一緒にできたなら、それはどんなに楽しいことだろう。


「ふーん。…ま、そろそろ学校行くよ。遅刻する」


 と、翔くんは一足先に歩き始める。


 ま、そんなことありえないけどね!


「うん!」


 私は早足で翔くんの背中を追った。