それから数日が経ったが、私は翔くんと一言も話していない。


 お互いの間に気まずい雰囲気が流れていた。


 それは、お父さんや由紀子さんにどうかした?と聞かれるほどだった。


『翔くん、どこに行くの?』


『…くるみには関係ない』


 翔くんには、まだ秘密があるのだろう。


 しかし、家族だからといって全て話さないといけないわけではない。


 私は、最近翔くんが疲れていることが、その秘密と繋がっているのではないかと思ってる。


 でも、翔くんにああ言われてしまった以上、私は翔くんから話してもらえるのを待つしかない。


 それが私と翔くんの埋まらない溝を強調したように思えた。