違うクラスの翔くんとは学校の少し前で別れ、時間差で登校することにした。
先に登校した私は、約1ヶ月ぶりの教室に足を踏み入れた。
「あ、くるみおはよう!」
私にそう声をかけてくれたのは、友達の南見(みなみ)凛(りん)ちゃんだった。
「おはよう、凛ちゃん!」
凛ちゃんは高2になってから初めてできた友達。
最初が前後の席だということもあって仲良くなったんだ。
「ねぇねぇこれ見て!可愛いでしょ〜」
そう言って私に見せたのは、最近流行ってるという空模様のシュシュだった。
「うん、とっても可愛いね!」
流行りに疎い私と違って、凛ちゃんは流行の最先端を行ってる。
こうやって凛ちゃん経由で流行りを知ることも少なくない。
そして私と凛ちゃんは、共に自分たちの夏休みの出来事について話した。
もちろん、翔くんとのことは内緒。
本当は凛ちゃんに話したいんだけど、凛ちゃんは翔くんのファンクラブにも入ってるほどの翔くんファン。
もし言ったら、なんで言われるか…。
それを黙っていることに罪悪感を抱きつつ、学園生活を送った。