冷酷な処刑人に一目で恋をして、殺されたはずなのに何故か時戻りしたけど、どうしても彼にまた会いたいと願った私を待つ終幕。

「あれは、どうしても時を遡ぼる必要性があったからです。あそこまで来てしまうと、バッドエンドを回避するには、時戻りの剣を使うしかなかった。それに、僕は……いや。そういえば、結婚式は明日でしたね」

 ユーウェインは、なんだかわざとらしく話題を変えた。謎を多く持つ彼はたまにこういう時があるので、私も特に追及せず流した。

 王太子リチャード・ヴァイスキルヘンとルイーゼ・ローランス男爵令嬢の結婚式は、明日だ。

 私は彼から婚約解消されたものの、表向きは運命的に愛する女性と出会ってしまったリチャードを思い、自分から身を引いたことになっている。

 そして、陛下としても位の高い公爵家のユーウェインを復帰させて私の希望通りに彼と婚約させることで、息子の身勝手な振る舞いの詫びを十分にしてくれたという訳。

 だから、婚約解消に伴う、王家とのしこりなどは私とユーウェインの実家双方共になかった。

 元婚約者と言えど結婚式に出席するのも、別に支障がない。

「ええ。ルイーゼ嬢の豪華なウェディングドレスは、周囲でも話題になっていたわ。美しいでしょうね……」