冷酷な処刑人に一目で恋をして、殺されたはずなのに何故か時戻りしたけど、どうしても彼にまた会いたいと願った私を待つ終幕。

 王家の血を引く者だけど、いなかった事にされている人に違いない。光の道を歩く、誰かのために。誰かは、闇の仕事に手を染める定め。

「私と、一緒よ。私も……またルイーゼ様が学院に入学すれば、同じことの繰り返しだもの。でも、そうだとしても……貴方に会いたかった」

 それは、私の本心からの気持ちだった。

 ユーウェインを真っ直ぐに見つめれば、ゆっくりとこちらへと近付いて来る。美形の王子として近隣諸国に名高いリチャードと良く似た……美貌の王家の影。

「実は、俺は攻略対象という……本来ならば、ヒロインのルイーゼに惚れている側のキャラなんですよ。だからこそ、悪役令嬢の貴女を好きになったことに気が付くのが遅れた。この世界に生まれ変わって。ずっとそれが、不思議だったんですが……」

「こうりゃくたいしょう?」

 意味のわからない単語に困惑していると、手を伸ばせばすぐに触れられるほどの位置に居て、彼は溜め息をついて笑った。