眠気に伴って会話がゆっくりになり、自然と甘い雰囲気が流れ始めた。彼の指がうなじにかかり、肌をすべらせる。
前までは少しいちゃいちゃし始めたところで端正な顔が近づいてきて、じゃれるように噛まれていた。
それが一度もないなんて、やっぱり変だわ。
「ら、ラヴィス様」
「なんだ?」
特別な愛称で呼ぶと声が優しい。
直接彼を見れず、うつむきながら続ける。
「最近は私が、ほ……欲しがってしまうから、その気がなくても甘やかしてくださっているのですか?」
「なんの話だ?」
「ラヴィス様は、触れ合いたくなくなってしまったのかと思って」
ちらりと目線を上げると、感情の読めないいつものクールな表情が視界に映った。
「どうしてそんなことを考える?」
「だってここのところ、甘噛みしないじゃないですか。ヴォルランの求愛行動でしょう?」


