「いつお生まれになったのです?」
「四年前だな」
「そ、そんなに前! しかも双子! 毛先はほんのりとピンクなのですね。ああ、青い瞳はエスターさんそっくりではありませんか。こんなに大きくなって……」
つい目を輝かせて手を伸ばすと、背中に抱きついているほうに、かぷっと指を噛みつかれた。
「痛っ」
「気をつけろ。最近はちびでも一人前に見知らぬやつに噛みつくぞ」
太ももからも「がぅ」と可愛らしく吠えられる。
威嚇で毛を逆立てていても、ぱっちりした二重と天使のような端正な顔立ちで怖くはない。
むしろ、こんなに小さくてもちゃんとヴォルランなんだなと愛しさが増していく。
マントに顔をうずめ、背けられてしまった。
「朝からしがみついて離れないから、そのまま放っている」
「なるほど。だいぶ懐いているのですね」
「窓から飛んだり屋根に登ったり、じっとしていた試しはないがな」
そのとき、彼らが警戒の視線で僕を睨んだ。
「つかまえるつもりなら、ようしゃはしないからな!」
「わるい人はあっちにいってください!」
「わっ、威嚇されました……!」


