再び始まったキスに応えながら尾骨をなでたとき、目の前で白い耳がぴくんと震えた。

 黄金の瞳が冷たい眼光を宿す。


「貴様……」

「わっ、ごめんなさ……あはっ、あははっ!」


 服の上から弱いところをくすぐられ、つい笑い声を上げた。

 彼は体の曲線を撫で、腹や脇を容赦なく攻める。


「弱点を知っているのがお前だけだと思うな」

「ギブアップです……! ふふっ、もうダメ」


 長く骨張った指がスカートの中の太ももに触れる。内ももから足の付け根をなでる仕草に、つい笑い声が止まった。

 全身の体温が上昇して、余裕のない声が漏れる。


「そ、こは、だめです」

「エスターも同じことをしただろ」

「私は尻尾を触っただけで」

「獣人にとって弱点を触られる感覚は今のお前と同じようなものだ。反省しろ」


 そうだったの? とんでもないちょっかいを出してしまったんだわ。彼に敵うはずがないとわかっていたのに。

 高ぶる欲情を抑えながら怒っている彼が愛おしいと思う私はおかしいのかしら。