悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました【2】



 ああ、今夜も温かな熱に溺れていく。大好きが募って胸が苦しい。この人はどこまで私を好きにさせるんだろう。

 周囲から恐れられている彼が、妻の前ではこんなにも甘い人だとは誰も知らない。

 ふわりと爽やかな花の香りがした。愛用しているコロンの匂いがシーツに移っている。

 たくましい背中に手をまわして、強く抱きついた。

 背筋をたどるようになでおろすと、ベルトで留められた尻尾用の隙間にモフモフした白い尻尾があった。毛並みが綺麗で柔らかい。

 尻尾の付け根に触れた途端、キスの合間に彼が小さく息を漏らす。

 閉じていたまぶたがわずかに開き、唇が触れ合ったまま黄金の瞳がこちらを見る。


「くすぐったいですか」

「そこはよせと言っただろ」


 眉を寄せられるけれど嫌そうではない。

 一緒にいるうちに敏感なところがあると気付いた。尻尾の付け根や耳など、人型ベースでも獣の姿に変わる部分が弱いらしい。

 常に無表情で落ち着きのある彼の余裕のない反応が可愛らしく思えて、何度も見たくなる。