悪女のレッテルを貼られた追放令嬢ですが、最恐陛下の溺愛に捕まりました【2】


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《ラシルヴィスト視点》


『ん……、はぁ……』


 小さな息づかいを耳が拾う。

 ふたりでベッドに沈んで触れ合っているうちに、つい尻尾と耳が出てしまった。

 どんな呼吸も声も聞き逃したくはない。

 俺の首に抱きついているエスターは、きっと酔いに溺れて明日には記憶がないだろう。普段、こんなに理性を飛ばすことはなかった。

 王都に来てから慣れない環境で疲れも溜まっているだろうし、ゆっくり休ませてやりたい気持ちもある。

 かといって、こんなに可愛らしい彼女を目の前にして我慢していられるほど、しつけはなっていない。

 細く白い首筋にそっと牙を立てる。

 何度も角度を変えて甘噛みして、好物にそそられながら舌をはわせた。

 すると、彼女は俺の肩から顔を上げてまっすぐこちらを見つめる。眉は怒ったようにキュッと寄っていたが、まるで怖くはなかった。


『どうした? 気分が悪くなったか?』


 体調を気遣って言った後、返事はすぐにきた。

 むっとした表情のまま、頬を赤く染めている。


『首を噛んでも、キスもして……!』


 可愛さのあまりタガがはずれかけた。なんとも無茶な願いだ。首を噛んでいてはキスができない。

 熱を帯びた瞳のまま至近距離で見つめ返す。


『……キスがいいか?』


 こくんと頷かれ、すっかり甘えモードだ。唇を重ねると嬉しそうに笑う。

 この無自覚子兎、俺をどれだけ煽ったら気が済むんだ?



《ラシルヴィスト視点・終》