『──山奥の神社には、ずっとずっと昔の幽霊が今も住み着いているらしい』


どうやら、この神社にはこんな噂が立っていたらしい。

通りで、ある時を境に参拝客が来なくなった訳だわ。

この神社が作られたのは……確か江戸時代で、明治に大正、昭和、平成……そして令和と、私は長きに渡ってこの神社を見守り続けてきた。

それも、私の初恋の人──伊織を待ち続けるため。

ごめんなさい皆、怖がらせてしまって。

でも──諦めるわけにいかないの。